今回のコロナショック、ひょっとすると保険はあまり話題にあがっていないかもしれません。
目にしたのは「万が一コロナでホテルに隔離されたときには、保険はおりるのか」というもの程度です。
逆に、新型コロナにより保険業界はどう動いているのかが気になりましたので、聞いてみることにしました。
話をお聞きしたのは、こんな経営者さまです。
・関東のとある地方都市で大手保険の代理店を20年以上経営
・そのエリアでは、中国インバウンド観光客や旅行客相手の商売も多い
・ご契約の相手先は、中小企業や個人事業主が半数以上をしめる
つまり、新聞の一面に載るような保険業界の話ではなく、超現場の生の声をお聞きしました。
コロナの影響で、保険業界の現場ではどんな影響がでるのか?
- いわゆる観光スポットは、中国インバウンド客が多くしかも春節とかち合ったので、従業員の保険の解約も出始めている。
- レンタル業(貸しボート、貸自転車)などでは、営業再開したら保険に入り直すというところもある。
- 火災保険ですら一旦解約というところもある。
- 対面販売は自粛、電話や郵送で進められるものは、それで行っている。
- 生保は対面販売が基本。が、既に提案しているものについてはTV電話でもOKになっている。
- 生損保共に、こちらからの新規提案は各社自粛ムード。
保険以外にもこんな影響が
この経営者さまの近隣は、多くの別荘地があります。
それによる飲食店さんへの影響も出ているとのことです。
- いわゆる別荘疎開してくる人、テレワークで別荘疎開する人が沢山います。
- その人たちの他県ナンバーの車をみると、やはり怖いので個人経営の飲食店や宿泊施設は営業していないところが多いです。
- 他県ナンバーNGの風潮があるので、実際に車を現地で購入しているということもあるかもしれない。
以上は、ごく簡単なヒアリングでしたが感じたことをお話しします。
まず、保険の話ですが「火災保険を一旦解約」ということが気にかかりました。
火災保険ですので、いわゆる休業補償をするものではないと思うのですが、契約者の方はこういった有事の万が一のときの保険にシフトしていくかもしれません。
また、いわゆる掛け捨ての保険であっても(今回の話がそうでないかもしれませんが)一旦は費用を削減するということだったとしたら、地方ではそこまで影響が出始めているのかと焦りを感じました。
インバウンド事業と別荘疎開の話です。
これまでも外国人観光客の問題は取り上げられていました。が、それはマナーに関するものが多かったと思います。
今回は、大げさかもしれませんが命にかかわる問題です。
これまでにも「外国人観光客」や「別荘客」に対して否定的だった方々もいますが、
正直それで商売が成り立っているところもあり「来ないで」とは、はっきり言えなかったかもしれません。
が、今回ははっきりと「来ないで」と言い切っている方がほとんどではないでしょうか。
この風潮は、新型コロナが終息してもしばらく続くかもしれません。
今後、インバウンドを中心とした観光業界が進む道を早急に考えた方がいいかもしれません。