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【経営再起コラム・飲食店編-①】飲食店のFLRを考えてみる

2020年6月1日

飲食店経営の指標の一つに「FLR比率」があります。
「そんなことは分かっている」と言わずに、どうかこのページを読んでみてください。

今さらですが、FLRとは。

  • F:food(材料費)
  • L:labor(人件費)
  • R:rent(家賃)

のことで、一般的に理想とされているFLR(コスト)比率は、売上に対して

  • F:原材料費30%
  • L:人件費30%
  • F+Lの合計で
  • R:家賃10%~20%

と言われていて、FLRの合計が80%を超えないようにとされています。

「一般的に」とか「理想は」といっても、業態や規模によって違いますし、
こと今の新型コロナの状況下にあっては、その議論さえ無駄なような気がします。

ですので、違った視点から飲食店のFLRを考えてみることにします。

とはいえ、一度はきちんと洗い出してみる。

弊社は10店以上の飲食店さんとの付き合いがありますが、ほぼ100%の方がFLR比率の考え方を知っています。

ですが一方で、それを正確に把握している方は実はそれほど多くなくて
(感覚では50%以下です)
特にL(人件費)とR(家賃)を正確に把握している人はさらに少なく、
さらに水道光熱費などの固定費を正確に把握している人は、ほとんどいません。

一旦話はそれますが、これはすごく普通のことだと思います。

飲食店経営者さんは自ら厨房・キッチンに立ち、皆さんに美味しいものを食べてもらいたいという思いから開業されます。
ですので「どんなお店ですか?」や「どんなコンセプトですか?」とお聞きすると、

「安く仕入れて安くておいしいものを」

「仕入は高いけれど最高級の食材で提供」

というようなお答えが多いので、つまりF(原材料)は、常に気にしている傾向が強く、
逆に言うとそれ以外の費用・経費は、割と二の次という方が多いです。

この機会に、ちょっと言い方はきついですがもし売上がゼロになってしまっても、
かかってしまう固定費(水道光熱費、税金、生保損保、社会保険なども)を
きちんと洗い出して表にまとめることをお勧めします。

それ以外にも色々と見えてきます。

FLRやその他の月額の固定費を表にまとめていくと、
ほとんどの方は「こんなにかかってるんだ」と感じるはずです。

しかしその固定費の数字、今後のコロナ禍で経営を再起していくためには必ず把握しておく必要があります。

「把握しておくこと」が目的の一番大きなことですが、それ以外にもこんなことが見えてきます。

固定費や毎月のコストに関連したスポット費用が見えてくる。

例えば

  • 自動車税などの年一回の税金
  • 消費税の納付
  • 賃貸借契約の更新料
  • 設備や営業車などの修理費

など、忘れがちなものが見えてきます。

特に、消費税や固定資産税などの納付は忘れがちで、納付のときに資金繰りに困るケースが多いので、注意が必要です。

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