また、中小企業や個人事業主は、売り上げの減少幅が大きい場合、設備や建物にかかる固定資産税や都市計画税が来年度に課税される1年分に限って減免されます。
さらに赤字が生じた場合に、過去の事業年度にさかのぼって法人税額の還付を受けられる「繰戻し還付」も特例として大企業のうち、資本金が10億円以下の企業にも適用されます。
政府は、今月下旬にも関係する法律を改正したうえで速やかに申請手続きを開始したい考えです。
税制面での支援策 主な内容
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策には、税制面での支援策として、深刻な影響を受けている企業の負担を軽減する措置などが盛り込まれています。
【法人税や消費税の納税猶予】
収入が大幅に減少した企業やフリーランスを含む個人事業主に対し、法人税や消費税、所得税などの国税の納付や、固定資産税など地方税の徴収を1年間猶予します。対象となるのは、ことし2月以降の1か月以上にわたって、収入が、前の年の同じ時期に比べ、20%以上減少するなどした場合です。通常、納税や徴収を猶予する場合は、原則として、担保の提供が必要で、延滞税や延滞金も課されますが、今回は、特例として、いずれも免除します。猶予が認められれば、年金や健康保険などの社会保険料についても、同様に支払いが猶予されます。これらの納税や社会保険料の支払いの猶予で、26兆円程度の負担軽減が見込まれるとしています。
【固定資産税の減免】
売り上げの減少が続く中小企業や個人事業主は、設備や建物にかかる固定資産税や都市計画税を、来年度(令和3年度)に課税される1年分に限って減免します。ことし2月から10月までのうち、3か月間の売上高の減少幅が、前の年の同じ時期に比べ30%以上、50%未満の場合は半額、50%以上減少している場合は全額を免除します。この措置に伴う地方税の減収分は、全額、国費でほてんします。
【「繰戻し還付」の拡充】
赤字が生じた場合に、過去の事業年度にさかのぼって法人税額の還付を受けられる「繰戻し還付」の制度を拡充します。通常は、収入や支出を帳簿につけて所得を申告する「青色申告」を行っている中小企業に適用されますが、特例として、大企業のうち、資本金が10億円以下の企業にも対象を広げます。
【イベントの資金繰り支援】
政府の自粛要請を踏まえてイベントを中止した結果、主催者に大きな損失が生じていることから、文化や芸術、スポーツイベントなどのチケットについて購入者が払い戻しを求めなかった場合、その金額を寄付と見なして税の負担を軽くする「寄付金控除」を適用します。チケットの払い戻しによる支払いを抑えることで、手元に資金を残せるようにして、資金繰りを支援します。
【中小企業のテレワーク促進】
感染拡大を受けて広がる企業のテレワークを後押しします。テレワークに必要な設備やテレビ会議用の機器などを導入した中小企業や個人事業主に対し、取得額の最大10%を法人税額から差し引くなどの優遇措置を講じます。
【「住宅ローン減税」入居期限延長】
「住宅ローン減税」を受けられる期間を13年間に延長する特例措置について、年末までとなっている入居期限を、来年の年末まで1年間、延長します。感染拡大の影響で住宅の建設が遅れ、入居できる時期が遅くなった人が対象で、新築の場合は、ことし9月末まで、建て売り住宅や中古住宅などの場合は、11月末までに契約を済ませていることが条件となります。
【「環境性能割」の延長】
自動車を取得した際にかかる、燃費性能を基準とした税金、「環境性能割」も、税率が1%引き下げられる軽減措置の期限を、ことし9月末から来年3月末まで、半年間、延長します。この措置に伴う地方税の減収分は、全額、国費でほてんします。
(引用:NHK NEWS WEB)
ココがポイント
国からコロナショックに伴う緊急経済対策の一環として、税制面での支援策が打ち出されています。
特に法人税や消費税の納付猶予やテレワーク促進の制度は重要です。
税務署や税理士さんともご相談ください。