緊急事態宣言、営業時間短縮などの行政からの要請、
そもそも人自体が街から消える
などで落ち込んだ売上を少しでも取り戻そうと、テイクアウトに踏み切った経営者様も多いと思います。
もちろん、それ自体は悪いことではなく、コロナショックを乗り切るためには必要な施策だったと思います。
が、コロナショックが始まってから5ヶ月たった今、
あえてテイクアウトについて考え直してみようかと思います。
このコラムは、利用者側目線でちょっときつい言い方になっていると思います。
ですが、きちんとお伝えしたいので、そうさせていただきます。
決してクレーマーではないので、予めご容赦ください。
食欲<応援、だったかもしれません。
世間の一般の人は外出自粛、飲食店経営者は来店されないのでテイクアウトに活路。
両者が合致して、一気にテイクアウトが広がりました。
いわゆるチェーン系のお店はもちろん、普段行ったことのないお店への出前注文も増えました。
また、個人で一店から数店を経営されている方には、
「常連さんがテイクアウトで購入する」というケースも多かったと思います。
もちろん、あなたのお店のファンの人が、自粛ムードの中でも自宅で食べたいと思ったでしょう。
が一方で、『お客さんが来ないで苦労しているファンの飲食店を応援してあげたい』
という想いもあったはずです。
つまり、食欲よりも協力してあげたいという想いの方が強かったかもしれません。
それがどう変化してきているか。
確かに、4月5月はテイクアウトが流行りました。
私の知っている飲食店経営者さんも「テイクアウトでだいぶ助かっている」と
何人も話していました。
それが、4ヶ月5ヶ月経った今だと、どういう風に心理的に変化が起こっているか。
「ファンのお店のテイクアウトを食べよう」が
「コンビニや総菜・弁当屋も含めた多数のテイクアウトの選択肢の中の一つに」
という風に変化してきている可能性が高いです。
選択肢の中で埋もれてしまうかもしれない
コロナショックを機にテイクアウトを始めた飲食店さんの多くは、
「お店で提供していた商品を、そのまま容器に入れて提供」しているのではないでしょうか?
おそらく、料金もそのままですし、場合によっては容器代や袋台がプラスされているかもしれません。
ではその金額や金額に見合った満足感は、コンビニや総菜屋さんや弁当屋さんと比べてどうなのか?
「選択肢の中の一つに」という仮説が正しければ、金額ではおそらく負けてしまうのではないでしょうか。
お弁当屋さんには独自のノウハウがあるはず
HottoMottoやオリジン弁当などテイクアウト専門のお店では、
長年蓄積された独自のノウハウがあるはずです。
- アツアツのできたて、家に帰ってあっため直さないでも美味しいお弁当。
- 提供時には冷めていても、家でレンチンしたときに美味しい総菜。
そのようなテイクアウト専門店と比べられたときに、
選択肢の中からあなたのお店が選ばれるようにしなければなりません。
さらに、最近ではコンビニもお弁当や総菜に力をかなり入れています。
それらも競合に入ってきてしまいます。
食べ始めるときに、お店の味を想像してしまう
あなたのお店のテイクアウトを家で食べるとき、
お客様が想像するのは、どうしてもお店で食べているときの味です。
おあなたのお店のファンだから、どうしても比べてしまいます。
お客様はどう感じるのかを想像してみます。
- お店いつものように調理したときはアツアツ。それをそのまま容器に入れる。
- 家に持ち帰ってそのまま食べるかレンチンして食べる。
どちらの場合でも、「お店で食べるよりは落ちる」と感じるのではないでしょうか?
それは当然のことですよね。お店でお出しするのは、できたてですから。
「しょうがないよね。テイクアウトだもん」と思われて、あなたはどう感じますか?
この冬、選ばれるテイクアウトになるために
営業再開、時間短縮要請の解除に伴い、店舗での売上が復活してきているかもしれません。
ですので「テイクアウトは、あくまでもつなぎ」と考える方も多いと思います。
ですが、冬に懸念される感染者の増加や再度発令されるかもしれない緊急事態宣言を懸念すれば、
選択肢の中でどうにか選ばれるテイクアウトを準備しておいても良いのではないでしょうか。